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今回はポピュラーなオシレータであるRSIと、SMMA(平滑移動平均線)の話を書きます。
元スレ : 正直、移動平均線だけで勝てるだろ・リターンズ
SMA(単純移動平均)やEMA(指数移動平均)と比べるとあまり使われていないイメージのSMMAですが、直近の価格に比重を置いたEMAを少し平滑化したようなものになります。
簡単に移動平均線の計算の仕方をおさらいします。
移動平均線の計算式について
単純移動平均線(SMA : Simple Moving Average)の場合
1日目 : 101
2日目 : 102
3日目 : 104
4日目 : 107
5日目 : 111
こんな値動きの場合、5日単純移動平均線では名前の通り単純に足して5で割るだけですので、
5日目の5SMAの値=(101+102+104+107+111)/5=105
指数移動平均線(EMA: Exponential Moving Average)の場合
直近の価格を重視した移動平均値です。
平たく言えば、最後の値を2倍して合計値を出してその分多めに割ります。
…子供みたいな書き方でアレですが。
1日目 : 101
2日目 : 102
3日目 : 104
4日目 : 107
5日目 : 111
6日目 : 116
7日目 : 122
初日(この例では5日目)は単純移動平均の値を用いるため、上の例と同じで、
5日目の5EMA=5日目の5SMA=105 となります。
計算が異なるのは6日目からになります。
6日目の5EMA = (102+104+107+111+116+116)/(5+1)=約109.33 ※最新の価格を2倍して、1多い値で割る
6日目の5SMA = (102+104+107+111+116)/5=108
一般項を求める計算式は以下の通り
EMA[当日] = a*終値[当日] + (1-a)*EMA[1日前]
※ a=2/(N+1) N:移動平均期間
指数移動平均線(SMMA: SMoothed Moving Average)の場合
a=1/N としたEMAです。
そのため、(2N-1)期間EMAと、N期間SMMAは同一の計算結果になります。
テクニカル分析の好きな方には面白い記事ですので以下も読んでみて下さい。
SMMAとRSIを活用した184手法
- 184 : Trader@Live![sage] 投稿日:2010/05/24(月) 14:18:59 ID:8MAQkcmM
- High,Low,Closeのsmma5を1本先行させたものとrsi(5)を並べて見てる
関連するペアを見ながら(audjpyを見てるならaudusd&usdjpyかusdjpy&nzdjpyなど)
目をつけたタイムフレームとその上下のタイムフレームも参照しながら。いかんせんチェックするチャートが多いから注意力が散漫になって遺憾の意 - 185 : Trader@Live![sage] 投稿日:2010/05/24(月) 17:46:05 ID:JM+du5cB
- オシレーターはいらんだろ
- 186 : Trader@Live![sage] 投稿日:2010/05/24(月) 17:48:42 ID:lulOWUsp
- >>185
有益だからこそ、存在する。 - 190 : Trader@Live![sage] 投稿日:2010/05/25(火) 01:26:53 ID:c176zbIK
- SMMAのシフト1は同じ期間のRSIの50のラインになるから、RSIと並べるのは悪くない
184氏が書き込んだトレード手法アイデアなので、ここでは「184手法」と呼ぶことにします。
RSIは、W・ワイルダージュニアによって開発されたテクニカル指標で、N期間の値上がり幅と値下がり幅を百分率で現すものです。期間中の値上がり幅が値下がり幅に対して大きいほど値は100に近付き、逆に値下がり幅が大きい場合は0に近付きます。
RSI(N)=N期間値上がり幅平均/(N期間値上がり幅平均+値下がり幅平均)
…ということで、計算式を理解していれば、70以上で売り・30以下で買いなんて、トレンドを無視した逆張りでしかないのが分かると思います。
チャートに表示してみるとこんな感じ
ある程度の値幅をもって一方高に動く場合は例外なく30未満または70より上にRSIがいますね。
70上抜けや30下抜けをそれぞれ、ロング・ショートのトリガーにしても良さそうです。クローズはRSI50抜け(つまりチャート内のSMMA抜け)などが考えられます。
また、上位足の終値(楽なのは日足でしょうか)が、5期間SMMAのHighより上にいればロングのみ、Lowより下にいればショートのみ、というMTF的な使い方をトレンド方向の判定に使うとかなり楽に方向性の判定が出来そうです。
184手法は機能するのか? FT3で簡易検証
試しにForexTester3でデモトレードをしてみましたのでうまくいったパターンをいくつか書きます。
例1) 上位時間足が終値で5SMMAのLowを割り込んでいる場合に、下位足でタイミングを取るとき、一度反発して5SMMAのHigh近辺で下に跳ね返されて、5SMMA(CLOSE)を割り込んだらショートエントリー。利食いは下位足のRSI50上抜けを終値で確認したとき。
例2) 上位時間足が終値で5SMMAのHighより上にいるとき、下位足の5SMMA Low下抜けでエントリー。多少大きめのプルバックがありましたが、RSI50を上抜けることなく下値を更新し、その後の下位足RSI50上抜けで利食い。
※例2) のパターンだとプルバックが大きい場合に、RSI50をエントリーと反対方向に抜けられてしまい損切りせざるを得ないケースもいくつかありました。この場合、RSIがダイバージェンスになることも多いため、上位足の方向が変わりそうならドテンエントリーするのもありかもしれませんね。
RSIについてもっと知りたい方へ
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