今回はやや古典的ですが、タートルズについて。名前を聞いたことのある方も多いかもしれません。
タートルズ実践で負けなし?
元スレ : 聖杯を書くスレ147勝目
74 名前:Trader@Live! [sage] :2016/09/08(木) 23:11:04.03 ID:TAU8MDHV
あのさ、聖杯ってかタートルズ実践するだけで3年前から負けてない。デイでもスイングでも。見るのは1h4h1dと14atr 20atr のみ。
76 名前:Trader@Live! [sage] :2016/09/08(木) 23:22:49.66 ID:kDDVPktQ
>>74
2週間前から順張りトレンドフォローのEAでトレードしてますが
今のところ利益が出ています。
もちろんタートルズも参考にしました。
私は暦2年目ですが、裁量で勝てないのでEAにしました。
3年前から負けてないとのことなので、今後の励みになります。
3年負け無しは素晴らしい…。ですが具体的に何をしているのか全く書かれてませんw
トレード手法の改善に力を入れたのか、資金管理に力を入れたのか、どちらでしょうか?
タートルズ手法
タートルズのブレイクアウト戦略
過去20日の高値ブレイクを逆指値で買い、過去10日の安値ブレイクで逆指値の手仕舞い
過去20日の安値ブレイクを逆指値で売り、過去10日の高値ブレイクで逆指値の手仕舞い
非常にシンプルなブレイクアウト手法です。元々はドンチャン・チャネルで有名なドンチャンルールのパラメータを変えたのがタートルズのブレイクアウト戦略になります。
(いわゆるドンチャン・ルールは40日の高安値ブレイクでエントリーし、20日の高安値を手仕舞いに使っていました。)
この手法は90年代以降はあまり機能しなくなったと言われています。かなり知れ渡ってしまった事も原因の一つでしょうか。実際にこの手法を使うとかなり収益に波が出ます。
タートルズ・ブレイクアウトのチャート例示
上のチャートは2015年のポンド円日足です。②と④のトレードは初動から戻りを入れずに順行するタイプのトレンドを捉えられたため、利幅も大きく機能している様に見えます。しかし①と③はトレンドの天底近い場所でのエントリーとなっており、一時的に利益が出ていたものの最終的に損切りになっています。①と③のパターンを防ぐため利確ポイントの算出にフィボナッチを使うと④の様な大きめのトレンドをみすみす逃すことになります。
③の後にもエントリー可能なポイントがいくつかありますが、いずれも一時的に利が乗るが最終的に微益・トントン・損切りのいずれかで終わるパターンです。タートルチャネル内で動くレンジに弱いわけですね。
タートルズのポジション・資金管理ルール
参考になるのはむしろポジション管理と資金管理のルールと言えそうです。このルールはATRを使用してその時に最適なポジション枚数を計算するルールです。前述の「3年間負けなし」の方もこのポジション管理ルールを徹底されているのではないでしょうか。
「ユニット」の考え方
一度のトレードに投下する資金量の目安として、タートルズ流の「ユニット」の考え方を紹介します。
「ユニット」= 投資額に対して最大1%の損失を被るポジション量
例) 投資資金200万円で、ポンド円の一度のトレードで1%の損失まで受け入れる場合
- 最大損失額 : 投資資金200万円 x 1% = 2万円
- ATRx取引単位 : ATR=1.515(円)でFX業者の最低取引単位が1,000通貨の場合、1.515 x 1,000=1515
- 最大損失額÷(ATRx取引単位) : 20,000÷1,515≒13.2 → 13
- トレード枚数の決定 : (取引単位) x (3.で算出した値) = 1,000 x 13 = 13,000
151.5pipsの損失で19695円の損失となり、投資資金に対して約1%の損失。
例) 最大2%の損失とした場合
上の例の13000通貨でポンド円をトレードする場合に、一度に2%のリスクを取る場合の例。1%で151.5pipsの損失となるため、2倍して303pipsがこのトレードの損切り幅となる。
取引銘柄(通貨ペア)の枚数管理
1ユニット=1%リスク、として考えても、同一通貨ペアで大きすぎるポジションを持つのはリスク管理の観点から避けたいところ。某所の推奨ユニット数は以下の数量でした。
- 1通貨ペア : 最大4ユニット
- クロス円 : 最大6ユニット(全クロス円の合計で)
トレード手法のエッジによって異なりますが、破産確率から計算していく必要があります。大きく張った場合、それだけ破産リスクが高くなるため、最大でも全資金の5-10%程度を一時にリスクに晒す最大値として考えておくと良さそうです。
…つまり、資金50万円の口座で10,000通貨単位のトレードを行う場合、最大ポジション数は1ポジションとなり、複数通貨での同時トレードはかなりのハイリスクを伴う、という事になるわけです。
おわりに
2010年ごろのレバレッジ規制(最大25倍)が出来た際には、様々な不平や文句が聞かれたものですが、実はかなり親切な規制だったのではないかと思います。
レバレッジ100倍でトレードした場合、10万円でポンド円6枚ぐらい張れたのでストップを入れていないとあっという間にすってんてんでしたから。
皆様が無理のない枚数でトレードを楽しみつつ、少しずつ資産を増やせることを願います。